ドラム式洗濯乾燥機、いいですよね。洗濯から乾燥まで一気にやってくれます。ふわふわかどうかはどうでもいいですが、乾燥の最大容量が縦型より多かったのでウチも購入しました。しかし先日、妻から「脱衣所が臭い」との訴えあり。気にしすぎだろうと思ってしばらく様子見してましたが、確かに言われてみれば脱衣所から下水臭がします。
洗濯機周りで下水臭といえば、私にはピンとくるものがあります。それは「封水切れ」。
封水切れとは
聞いたことのない言葉ではないでしょうか。遡ること数年。今の家に引っ越してきた当日のこと。まだ当時の古い洗濯機は引っ越して設置してもらってから、使用していません。なのにどうも脱衣所が下水臭い。そこで業者を呼んで見てもらったところ、「封水切れではないか」とのこと。それは洗濯機の下にある排水ホースのその先での出来事で、排水トラップと呼ばれる部分に水が溜まることで下水からの空気が洗濯機内に逆流してくるのを防ぐ役割があるのです。排水トラップには洗濯で使用した排水が毎回たまるので、特に気にしなくても普通に使用していれば排水トラップ内の水が無くなることはないので問題ありません。ただし、例えば引越しをしてきた時は、当然排水トラップ内は空です。なので水道水か何かで排水トラップを満たしてあげるか、1回洗濯機を回せばそれでOKですが、それまでの間は下水の空気が上がってくるので下水臭がするのが普通です。この「排水トラップ内に水がない状態」のことを「封水切れ」と呼びます。
実際の様子
やはり封水切れです。これで臭いの原因はわかりました。なので水を足せば一旦はOKですが、問題はなぜ封水切れになったのか、ということ。そこを解決しないと繰り返します。
封水切れの原因
一般的に封水切れの原因は、
- 蒸発: 長期間(1〜2ヶ月以上)洗濯機を使わないと、自然に水が気化して減ります。
- 毛細管現象: 排水トラップに溜まった髪の毛や糸くずが、水を吸い上げて下水側に流してしまう現象です。
- 誘引現象(サイフォン現象): 集合住宅などで、上階からの大量の排水が排水管内の気圧を下げ、封水を引っ張って吸い出してしまうことがあります。
- 排水トラップの劣化・破損: 経年劣化や衝撃で排水トラップにヒビが入ると、水を保持できなくなります。
- 排水管の汚れ: 洗剤カスやホコリが蓄積し、水がスムーズに流れず、封水が減る原因になることもあります。
などが挙げられます。普通に生活していれば「1. 」はあり得ません。旅行や出張などで長期不在にするときには注意が必要でしょう。具体的には「封水蒸発防止剤」というものがホームセンターやオンラインストアで市販されていますのでそれを使えばいいでしょうが、今は関係ありません。「2. 」「5. 」のような汚れはありませんでした。買って1年ですし、住宅も比較的新しいです。また洗濯機の糸屑フィルターを定期的に綺麗にしているのもあって、糸屑のような汚れは全くありませんでした。「3. 」こういう原因もあるのですね。ウチは低層マンションの最上階なので関係ありませんでした。「4. 」これは考えられましたので実験しました。方法は簡単。排水トラップに水を入れてみて水漏れするかどうかです。すれば壊れているので交換すれば解決でしたが、全く水漏れはなく、排水トラップの劣化も否定的です。
原因を追求
では我が家の封水切れの原因はなんなのか、確かめる必要があります。結局業者を呼んだって、業者も神様ではありませんから、「見れるだけはここでみますが、一度回収して調べますね」になるに決まってます。一度回収されては困るのです。幸い封水切れは水を足せば臭いは止まるので、水を足しつつ原因を追求します。こうやって調査している間にも封水切れの臭い被害は継続しています。我が家は夜寝る前に洗濯乾燥機を回して朝回収するパターンが多いのですが、朝起きて洗面所の下水臭に悩まされる日々です。当初は毎回ではなかったのですが、段々頻度も上がってきて、最終的にはほぼ毎回封水切れを起こすようになりました。
封水を満タンにした状態で、何もせず半日ほど様子を見ました。→封水は減りなし。やはり洗濯機を稼働させることで封水が切れることがわかります。
封水を満タンにした状態で、洗濯モードだけを行いました。→封水は減りなし。問題は乾燥モードにありそうです。
封水を満タンにした状態で洗濯乾燥機を回し、乾燥に入ったタイミングで洗濯機を一時停止し、その時点の排水トラップの水位を確認、その後乾燥機まで完了後の排水トラップの水位を確認することにしました。→封水切れ。実は乾燥の途中にも一度観察したところ、その時点で封水は大分減っていました。
実は我が家の洗濯乾燥機では、乾燥時間は洗濯機が自動で調整してくれるのですが、ここ最近、購入当初より乾燥時間が長くなってきたなー、というのは感じていました。乾燥モードに問題があるという実験結果と関係があるでしょうか。この時点で、私の仮説は「A. 乾燥機の風圧で排水トラップの水が吹き飛ばされている」か、「B. 乾燥機によって排水トラップの水も乾燥してしまっている」の2択でした。このいずれであるかを確かめるのは困難ですが、少なくともこのいずれかが正しいとすれば、洗濯機→排水ホース→排水トラップの繋がりから空気を取り除けば解決しそうなことが考えられました。そこで、、
封水を満タンにした状態で、洗濯乾燥機を回し、乾燥に入ったタイミングで排水ホースと排水トラップとの接続を外して少し浮かせた状態で固定してみました。(⚠️一般的には外すことはお勧めできません。)こうすることで空気は逃げ場ができますし、水は排水トラップに落ちていきます。→これには様々な発見がありました。乾燥中だからあまり水は出てこないかなと思っていましたが、意外と乾燥中でも脱水された水が排水されます。そしてこの水はチョロチョロではなく勢いよく噴出されるように出てきますので、あまりホースを浮かせすぎると水浸しになりそうです。そしてこの実験は大成功。乾燥終了後の排水トラップ内の水は全く減っていませんでした。風圧のこともあるので、おそらく「A. 乾燥機の風圧で排水トラップの水が吹き飛ばされている」が正しそうです。

排水トラップの水が吹き飛ばされる原因は?
ではなぜそんなことになってしまっているのでしょう。当然ですが買った当初はこんなことはありませんでした。おそらくどこかの劣化あるいは汚れが原因なのでしょう。さてしかしこの「乾燥モードになった時に排水ホースを浮かせて固定する」というのは実生活において維持するのは困難です。理論上は排水回路を開放すればいいので、漏斗状のものに排水ホースを固定して先端を排水トラップに入れておけばいいのでしょうが、洗濯モード中のしっかり排水の流量に耐えられるか、あと子供が触るかもしれないのであんまり複雑な方法はよくない、という問題があります。何かいい手はないかと調査していると、Yahoo知恵袋に、「東芝のドラム式洗濯機の下水臭についてお助けください。」という似たような質問があり、その回答で「東芝のドラム式洗濯機は乾燥するときに、排熱を排水管に流すんです。 その風が、臭いが逆流しないように溜まっている排水トラップの水を吹き飛ばしてしまうんだと思います。 そうなると、下水から臭いが逆流してきます。ということを東芝の修理の人から聞きました。」というものがありました。仮説とドンピシャ。それだけでなく、「解決策ですが、東芝の部品に水を溜めておくボックスがあり、それを取り付けてくれました。臭いは劇的に改善しました。」とあります。さらにその部品の商品ページ (東芝 THB-100 糸くずフィルターボックス) まで掲載してくれていました。ありがたい。急いで購入し、(仮で)取り付けてみました。

東芝 THB-100 糸くずフィルターボックス を装着
こんな感じです。少し邪魔ですが、臭いと手間には変えられません。回路は開放されているわけではないので、空気の逃げ道はないですが、途中に水のたまりができたり、粗いですがフィルターが付いたりしているので、少し空気の勢いは弱まるのかもしれません。実際に洗濯乾燥モードを行ってみても、排水トラップの水はしっかり維持されていました。大成功です。
注意点として、本当に装着する時は付属の接着剤を使ったり、なるべく排水ホースが弛まないようにホースを切って長さを調節したりする必要がありますが、後日業者にもみてもらう予定でしたので、この時点ではそこまでのしっかり接続はしていません。また、2週間ほどこの状態で運用しましたが、糸屑フィルターとしては洗濯機本体に付いている方がしっかり機能しているためか、全く糸屑などのゴミは溜まっていませんでした。
大元の原因判明
外付け糸屑フィルターにより一旦は一件落着して2週間ほど後、東芝の修理業者の人が来てくれる日になりました。朝修理担当の人から電話があったのでおおまかな症状をお伝えし、昼頃に来てもらいました。
「僕も原因がわからなかったんですが、他の修理の者に聞いてみました。原因はおそらく乾燥の排気フィルターの目詰まりだと思います。」修理の人は開口一番そう言うと、排気フィルターを外して照明に透かして見せました。「やっぱりね。向こう側が見えません。」
乾燥機を使用するなら毎回排気フィルターをブラシなどで掃除するのは当たり前です。当然うちもそうしていました。それでもフィルターの網目構造の隙間に小さな埃が目詰まりしてしまうそうで、定期的に流水の中でフィルターを指で挟むように擦って洗う必要があるようなのです。実際にやってみるとざらざらした細かい埃が取れていきます。その後に照明に透かしてみると、洗ったところとそうでないところで差は歴然。いかに目詰まりしていたかがわかります。そのままでは使用できず、しっかり乾燥させてからでないと今度はこの水滴によってフィルターが目詰まり状態になるようなので、浴室乾燥に入れて乾燥させ、その後使用可能になります。排気フィルターが目詰まりすると、脱水の方に乾燥の空気が流れるようで、これが原因で排水トラップの水が吹き飛ばされてしまうという現象が稀にあるそうです。その修理の方も知らなかったそうですが、他の修理の方に聞いてくれたようです。ありがたい。
おわりに
というわけで、結局今回の騒動は、排気フィルターを定期的に水洗いすることで解決しました。なおこうすることで乾燥時間が長引いていたのもなくなり、購入当初の状態に戻りました。ずっと洗濯機は頑張ってくれていたんですね。
今回のことを記事にしたのは、これほどまでに困ったのに、解決策は意外にも単純で誰でもできることだったからです。ぜひどなたかのお役に立てばと思います。

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